東京都八王子市で万引きして逮捕された場合の流れと刑罰・対処法
東京都八王子市は、人口57万人以上が住む大きな都市です。駅前は様々な商業施設が賑わい、多くの人々が行き交う街でもあります。東京都内の中では、一番人口が多い街としても知られています。
しかし、商業施設が多く、住む人も多いということは、多くのトラブルが生じやすいという結果にもつながります。特に、八王子市では万引きに注意が必要です。
ふとした出来心から万引きに手を出してしまうと、ストレスによって何度も繰り返してしまう人もいます。最初は見つからなかったとしても、いつか捕まる可能性の高い犯罪です。
今回は、もし万引きで逮捕されてしまった場合に、その後の流れをご説明します。
八王子市の万引きの概要、逮捕後の流れ、起訴や実刑の可能性、弁護士相談のメリットなど、詳しく見ていきましょう。
このコラムの目次
1.八王子市での万引きはどんな罪に問われるか
(1) 万引きは窃盗罪
皆さんは、万引きという犯罪にどのような罪名がつくがご存知ですか?
万引きは、刑法235条に規定された窃盗罪という犯罪です。具体的には、「他人の財物を窃取した者は、窃盗の罪とし、10年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と規定されています。
万引き行為は、思春期の若い世代が遊び半分で犯しがちな犯罪です。そのためか、軽い犯罪のように捉えられていますが、実は懲役10年の可能性もある重い犯罪です。
もちろん、すべての万引きに懲役刑が科せられるわけではありません。法律上も、「10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」と幅をもたせて規定しており、軽い万引きと常習犯のような重い万引きの罪を区別できるように考えています。
万引きで一番軽い刑としては、1万円の罰金が考えられるでしょう。学生が数百円のものをスーパーから盗んだという例では、微罪処分といって、警察の注意のみで済むこともあります。
もっとも、仮に起訴されてしまい有罪となると、前科がつくことになります。
執行猶予判決となった場合でも、前科はついてしまいますので、その後の社会生活に大きな影を落とすことになります。万引きは軽く考えてはいけない犯罪なのです。
(2) 八王子市は万引き犯が多い
実は、皆さんがお住まいの八王子市は、万引き犯が比較的多いです。
八王子市は、中央線一本で都心にアクセスでき、JR八王子駅の他、京王八王子駅もあり、交通の便が良い地域です。
駅前には、さまざまな商業施設があり、多くの人で賑わっています。東京一の人口を誇る街ですから自然と商業施設も多くなるのでしょう。
欲しいものはなんでもすぐ手に入る距離にあるため、便利な街、住みやすい街として認識されている方も多いと思います。
もっとも、人の出入りが多い、商業施設が多い、というのは良いことばかりではありません。
万引きは人の影に隠れて、ひっそりと行われる犯罪です。人の数が多い商業施設内では、万引きを行いやすい状況ができます。そのため、窃盗などの犯罪も必然的に多くなってしまうのです。
八王子市の平成29年の犯罪統計をみてみると、万引き犯が含まれる非侵入窃盗犯だけで年間1,012件も起きています。このうち検挙数は201件のため、おおよそ1/5程度が捕まっています。
八王子市は東京都内の第9方面として管轄されていますが、1,000件を超える認知件数は比較的多い認知件数です。
また、1/5の検挙数が多いと感じるか少ないと感じるかは個人差があると思いますが、実際に逮捕されている方がいるというのは事実でしょう。
「絶対捕まらない」と考えている方もいるかもしれませんが、繰り返すほど検挙される確率は高くなります。
商業施設内では、万引き犯に備えて警備員の配置はもちろん、監視カメラの設置も多くあるため、万引き後すぐに捕まらなくとも後日逮捕されてしまう可能性もあるのです。
2.万引きで逮捕されたらどうなる?
(1) 逮捕、勾留、起訴
まずは、逮捕について少し理解していきましょう。
「万引きで逮捕」といっても、実は逮捕には種類があります。具体的には、現行犯逮捕と後日逮捕です。
現行犯逮捕は、万引き行為を現認した場合、あるいは犯行直後に追跡されて逮捕されるケースを指します。万引きは、現行犯逮捕がほとんどといわれています。
八王子市の場合は、商業施設内の監視カメラや警備員が見つけて逮捕というケースもありますが、お客さんが気づき店員に知らせるケースもあります。
ちなみに、店員や警察などの権限のある方でなかったとしても、お客さんでも現行犯逮捕は可能です。誰でも犯罪を犯した人を現認すれば、捕まえることができます。
後日逮捕は、犯行から数日たって逮捕されるケースです。証拠を集めた上で裁判所の逮捕令状に基づき、執行されます。
そのため、忘れた頃に自宅に警察がやってきた、警察から任意聴取の連絡がきたなどのケースもあります。
「一度逃げ切れば捕まらない」ということはありませんので、仮に警察から連絡があった場合は冷静に従うか、弁護士に相談するようにして下さい。
(2) 検察へ送致→勾留→起訴
逮捕後は、取り調べが始まり、万引き行為に関する聞き取りが行われます。
逮捕後は、48時間以内に検察に送致されるのが決まりです。検察へ送致後は、同様に検察官から聴取を受け、24時間以内に勾留請求を行うかどうかが決定されます。
勾留請求を行った場合は、原則10日は勾留施設に拘束されることになります。勾留延長が決定した場合は、さらに10日拘束が続きます。
この後、検察官が起訴するかどうかを決定し、不起訴となれば無事釈放となりますが、起訴が決定すれば被告人勾留となり、1ヶ月後に裁判が開始です。
公判が開かれ、審理が集結すれば判決で有罪、執行猶予、無罪などが言い渡されます。
逮捕から起訴までは2ヶ月もかからず、あっという間に進んでいきます。早期釈放を望む場合は、逮捕後すぐに弁護士に依頼することが大切です。
(3) 万引き犯の量刑
万引きで逮捕されると、その後検察へ送致されるとご説明しました。
しかし、初犯で被害金額が少ない場合、被害金をすでに支払っている場合、示談がすんでいる場合、再犯の恐れがない場合など総合的に考慮して、検察送致が必要ないと判断した場合には、微罪処分として処理されることもあります。
この場合は、起訴はもちろん裁判はなく、前科もつきません。
万引きの微罪処分については警視庁の統計が出ており、平成25年度では42.9%が微罪処分となっています。5年前の数字のため多少の前後はあると思いますが、毎年40-50%前後で推移していると考えられます。
つまり、逮捕された万引き犯のうち60%程度は検察に送致され、起訴するかどうかの判断が行われているということになります。
検察に送致されても、不起訴となる可能性はありますが、不起訴とするなら微罪処分にする可能性が高いため、60%のうち多くは起訴が行われていると推測できます。
仮に、起訴が行われてしまうと、90%以上の確率で有罪です。万引き犯の場合は、防犯カメラや目撃者などからの客観的証拠や本人の自白などが揃っているケースも多いため、ほぼ確実に有罪となってしまいます。
同種前科がある場合や、何度も繰り返し犯罪を行っているケースでは、執行猶予がつかず、実刑の可能性もあります。
3.万引きを弁護士に相談するメリット
最後に、万引きを弁護士に相談するメリットと、どのような弁護士に依頼をすべきかについてご説明します。
(1) 弁護士に相談するメリット4つ
「警察に行っても注意されて終わるだけ」、あるいは「逃げ切れる」と考えているのはかなり甘い考えです。
万引き行為は、窃盗罪です。列記とした刑事事件にあたるため、逮捕・勾留で何週間も通常通りの生活が送れない可能性もあります。
また、有罪となれば前科がつくため、これを回避するためには弁護活動が必要になります。
弁護士に依頼するメリットとしては以下が挙げられるでしょう。
- 取り調べのアドバイスがもらえる
- 示談成立の可能性が高まる
- 早期釈放につながる
- 不起訴、執行猶予の可能性が高くなる
逮捕されると捜査官から取り調べを受けることになります。このとき、弁護士から捜査官とどのようにやり取りをすれば良いかアドバイスを受けることで、供述が不利に扱われることを防げます。
また、逮捕されている間でも、弁護士が被害者と連絡をとり示談を進めます。示談が早期にまとまれば、微罪処分にしてもらえる可能性も高くなります。検察へ送致されても、不起訴処分になる可能性も高まるでしょう。
そして、勾留請求前にご依頼いただければ、勾留請求をしないように弁護活動を行うこともできます。できるだけ早く家に帰ってご家族を安心させてください。
さらに、適切な弁護活動により、不起訴や執行猶予の可能性は高くなります。前科がつくと将来にわたり影響を及ぼすため、そうならないように全力を尽くします。
(2) 万引き事件はどんな弁護士に依頼すべき?
弁護士を選任するとしても、どのような基準で選べば良いか迷ってしまうでしょう。
万引き事件を依頼するなら、以下の条件で探してみてください。
①刑事事件の実績がある
法律事務所にもそれぞれ専門があります。専門から外れてしまうと、残念な対応がとられてしまうこともあります。
刑事事件はスピードが命です。刑事事件の処理を普段から行っている実績のある弁護士、弁護士事務所を見つけましょう。
見つけ方は簡単です。インターネットで法律事務所を探し、「刑事弁護」と記載がある法律事務所を見つけましょう。
②すぐに対応してくれる
先にご紹介した通り、逮捕されてしまえばあっという間に勾留請求まで進んでしまいます。
勾留請求までの時間は3日程度しかありません。この短い期間に、どれだけの弁護活動ができるかが鍵です。
示談をとりつけ、早期釈放を促すように働きかければ、勾留なしで釈放、微罪処分としてもらえる可能性も高くなります。
逮捕されたら勾留前の釈放、勾留請求が行われたら不起訴のための弁護活動が重要です。
③地域事情にも詳しい地元の弁護士
事案の把握を迅速に行うためにも、地域事情に詳しい弁護士を選任することをおすすめします。
地元に法律事務所がある弁護士なら、どこでどのような事件であったのかをすぐに把握でき、示談まで円滑に進みます。地域事情に詳しい弁護士を選ぶことで、できる限り早い解決が望めるでしょう。
4.万引きでお悩みの場合は泉総合法律事務所にご相談を
万引きは犯罪です。犯してしまった場合は、それ相応の償いをしなければいけません。
しかし、できるだけ早く被害回復や示談を行うことで将来への影響を少なくすることはできます。
[参考記事]
万引きの示談の重要性を解説
刑事事件は時間との勝負です。逮捕の可能性がある場合は、泉総合法律事務所にご連絡ください。
泉総合法律事務所は、刑事事件の実績も豊富にあり、万引き事件のご依頼も承っております。八王子市に支店があることから、地域事情にも精通しています。
八王子市で万引き事件を起こしてしまった場合は、泉総合法律事務所の八王子支店にご相談ください。迅速に対応いたします。
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