債務整理

自己破産手続のメリット|任意整理・個人再生と比較、検討

自己破産手続のメリット|任意整理・個人再生と比較、検討

自己破産手続は、借金をもはや支払えなくなってしまった債務者が、裁判所に借金を免除してもらう債務整理手続です。

債務整理の方法には、他に任意整理や個人再生手続もあります。

このコラムでは、自己破産手続が他の債務整理に対して持つメリットを説明します。

結論を先取して言えば、そのメリットは、完全に帳消しにできることと収入が問題とされないことにあります。

1.自己破産手続の特徴

(1) 手続の概要

自己破産手続の申請を受けた裁判所は、債務者が自己破産手続を利用できるか判断したうえで、後述する手続の種類を決めて手続の開始を決定します。

2か月間の債権者の意見申述の期間が設けられるとともに、債務者の状況によっては、債務者財産の換価・配当や免責不許可事由(原則として免責が認められなくなる事情のことです。)の調査などがされます。

最終的に、裁判所が債務者の借金の免除を認める免責許可決定をすると、それから約1か月後に債務者は免責、つまり借金の免除を受けることになります。

(2) 手続の種類

自己破産には、2つの種類の手続があります。

①管財事件

債務者に債権者へ配当できる財産がある場合や、免責不許可事由がある場合に用いられる自己破産の手続です。

裁判所により選任される破産管財人が、配当処理や免責不許可事由の調査を行います。

②同時廃止

債務者に配当すべき財産も免責不許可事由もないときは、破産管財人を選任しないで簡略化した手続である同時廃止が用いられます。

(2) 自己破産手続に伴うリスクやデメリット

このコラムでは主に自己破産手続のメリットを説明しますが、その前に、簡単に自己破産手続のリスクデメリットについても説明をします。

①免責不許可となるリスク

免責不許可事由があると、法律上の規定では、原則、免責してはならないとされます。

もっとも、実務上、裁量免責と言って、非常に悪質な免責不許可事由がある場合を除き、ほとんどの場合は裁判所の判断で免責がされています。

②資格制限

手続中、弁護士や警備員など他人のお金に関わる資格や職業が制限されます。

③官報への掲載

政府の機関紙である官報に、債務者の住所氏名が掲載されます。

④全ての債権者が対象となる

裁判所の関与の元、全ての債権者が強制的に巻き込まれます。

特定の債権者を除外することは出来ません。

⑤財産の処分

管財事件では、最低限のものを除く債務者の財産が、債権者に配当するため、裁判所により処分されます。

担保権がある財産は、担保権を持つ債権者が処分します。

⑥移動についての裁判所の許可

管財事件では、引っ越しや長期旅行について裁判所の許可が必要です。

⑦郵便物についての破産管財人のチェック

管財事件では、破産管財人が郵便物をチェックします。

以上が、自己破産手続の基本的な特徴です。

自己破産手続は、任意整理や個人再生手続に対するメリットは果たしてどのようなものなのでしょうか。

2.原則として返済負担を完全になくすことができる

自己破産手続で免責許可決定が下りれば、一部の例外を除いた借金などの債務は完全に免除されます。

任意整理は、ほとんどの場合、金利の免除や分割回数を増やすことで1回あたりの支払負担を減らすものですから、元本を減額することは、過払い金がない限りできません。

個人再生手続では、元本含めて返済負担が減るものの、借金が残ることに変わりはありません

また、その返済額は、原則、法律が定める最低弁済額により、目安としては借金総額の5分の1となりますが(借金総額により異なります。)、自己破産手続での配当見込額である清算価値がより大きい場合には、清算価値相当額を返済しなければなりません。

現金や預金はもちろん、生命保険の返戻金や退職金見込額も清算価値に含まれます。

特に、マイホームのローンがない、またはマイホームの評価額より少額のローンしかない場合、高額となったマイホームの資産価値が重くのしかかることになります。

さらに、住宅資金特別条項制度により抵当権付きマイホームを維持した場合には、住宅ローンは一切減額されません。

3.債権者の意向の影響を受けることがない

自己破産手続では、債権者は債務者が自己破産手続をすることに直接反対できません

基本的に、裁判所に対して、免責不許可事由があるなどの意見を述べることができるだけです。

債権者に対して債務者の財産が処分・換価され配当されますので、債権者の損失がある程度補われるためです。

一方、任意整理は、裁判所を介せず債権者と個別に交渉するものですから、任意整理を認めてくれない債権者が出てくる恐れもあります。

個人再生手続は、手続の種類により債権者の手続への反対の可否が異なりますが、総じて、自己破産手続よりもハードルは高くなります。

個人再生手続のうち小規模個人等再生という手続では、おおざっぱに言えば債権者の過半数の反対により手続が打ち切られるリスクがあります。

もう一つの手続である給与所得者等再生では、債権者に拒否権はなく、自己破産手続同様に、裁判所に意見を言うことしかできません。

しかし、後で説明する通り、小規模個人再生よりも、収入が安定していることが厳しく要求され、また、返済額が増えてしまうため、利用が困難となりかねないデメリットがあります。

4.収入が全くなくても手続を利用できる

(1) 自己破産手続は収入が問題にならない

自己破産手続では、原則として借金を支払わなくてよくなるのですから、借金返済に関して収入は問題となりません

手続費用が別途必要になることには注意が必要ですが、生活保護を受けている場合には、日本司法支援センター(法テラス)の援助制度を利用すれば、ほとんど負担しないで済む可能性もあります。

しかし、任意整理や個人再生手続では、返済負担が残る以上、収入がその負担に耐えるのに十分か慎重な検討が必要となります。

任意整理では、原則として元本を減額できないこと、任意整理に応じない債権者もいることから、特に収入が必要になります。

個人再生手続では、一般的には任意整理よりも大きく支払負担を減らせますから、アルバイトやパートの方でも手続を利用できる場合があります。

もっとも、以下のような場合に個人再生手続を利用する際には、収入に関して問題が生じる恐れがあります。

(2) 給与所得者等再生を用いる場合

個人再生手続に債権者が反対する恐れがある場合には、給与所得者等再生を用いざるを得ないときがあります。

給与所得者等再生では、手続を始めるためには将来の収入が定期的で変動幅の小さいものでなければなりません。

また、小規模個人再生と異なり、最低弁済額や清算価値より金額が大きくなりやすい可処分所得2年分相当額を返済することになる可能性があるため、返済負担も重くなりやすい傾向にあります。

(3) 住宅資金特別条項によりマイホームを維持した場合

個人再生手続では住宅資金特別条項という制度を用いてマイホームを住宅ローン債権者に処分されることを回避することが出来ます。

しかし、その場合、住宅ローンについては一切減額がされません。

そのため、減額されたとはいえ残っている他の借金の返済と、住宅ローンの返済が二重の負担が生じるおそれがあります。

(4) 評価額が高額となってしまう財産を持っている場合

先ほど触れた通り、個人再生手続での返済額は、借金総額とは関係なく、自己破産した時の配当額である清算価値相当額が基準となってしまうことがあります。

そうなったときに、マイホームや退職金など、現金や預金のように簡単には扱えない財産が清算価値に含まれてしまうことで、返済額が想定外の高額になってしまうリスクがあります。

(5) 借金総額に関わらず手続を利用できる

自己破産手続では、借金がいくらあっても免責を受けられます。

しかし、個人再生手続では、住宅ローンなど以外の借金については、5000万円までしか債務整理することが出来ません。

5.メリットのある自己破産手続なら泉総合法律事務所へ

自己破産手続は、一般の方からすると、社会的な信用を完全に失いかねない非常に危険な借金整理の方法とみなされていることも多いでしょう。

確かに、冒頭で説明した通り、様々なリスクやデメリットがあることは確かです。

しかし、借金を原則として完全に帳消しにできること、そのため、収入が問題となりにくいことは、他の手続にはない非常に大きなメリットです。

このことは、いくら強調してもしすぎることはありません。

リスクやデメリットも、専門家の適切な助言の元、回避したり軽減したりすることができる可能性もあります。

泉総合法律事務所では、これまで多数の借金問題を、自己破産手続をはじめとした債務整理によって解決してきた豊富な実績があります。

皆様のご来訪をお待ちしております。

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