刑事事件

逮捕後の盗撮事件はどのような流れで進むのか

盗撮事件で逮捕されてしまうと、本人も家族も、その後どうなってしまうのか不安になるでしょう。

盗撮事件のほとんどは現行犯逮捕ですが、後日防犯カメラなどの映像から特定され逮捕という形もあります。つまり、その場でバレずに逃げたとしても、ある日突然逮捕されてしまう可能性があるのです。

今回は、盗撮で逮捕された場合にその後どのような流れで手続きが進むのかについてご説明します。

逮捕後に釈放してもらうためにできることや逮捕後に起訴される可能性についても解説しますので、盗撮をしてしまい検挙された方やそのご家族はぜひご一読ください。

1.盗撮で逮捕された場合の流れ

盗撮で逮捕されるケースとしては、2パターンが存在します。

まず、よくあるのは「現行犯逮捕」です。
駅などの公共施設で盗撮行為に及んでいた場合に、被害者や周囲の人が気づき通報するケースです。この場合、一般人による逮捕も多く行われています。

もう1つが通常逮捕(後日逮捕)です。
盗撮行為時は逃げ切ったものの、その後防犯カメラや目撃証言、ICカードの履歴などから犯人として割り出され、自宅などで逮捕される事案です。

盗撮事案の多くは、現行犯逮捕ですが、犯行現場から逃げ切ったからといって逮捕を免れるわけではありません。
特に常習の場合は、後日逮捕の可能性も十分にあります。

(1) 逮捕後の一般的な流れ

【盗撮事件の逮捕後の流れ】
逮捕→取り調べ→検察送致・取り調べ→勾留請求→勾留→(勾留延長)→起訴・不起訴の決定

逮捕後の流れとしては、現行犯逮捕と通常逮捕、どちらの場合でも同じです。

逮捕後、警察署で取り調べを受け、事件の詳細について事細かに質問されます。その後、逮捕から48時間以内には検察に送致され、そこから24時間以内に検察による勾留請求が行われるか否かが決定します。

勾留されるケースについては後述しますが、勾留請求をすることを検察が決定したら、裁判官が勾留質問を経て勾留の可否を決定します。

勾留決定となったら、10日間は家に帰ることができません。また、勾留延長が決定したらさらに最大で10日間勾留されます。

勾留中に起訴・不起訴の判断が検察にて行われ、起訴となった場合は裁判となります。起訴には略式起訴もあり、犯歴が少ない場合などは、本人の同意があれば略式起訴となり、裁判は行われず罰金刑に処せられます。

裁判では有罪・無罪が判断され、有罪であれば執行猶予判決、実刑判決、罰金刑などが言い渡されます。
不起訴であれば、同日中に釈放されます。なお、起訴の決定前に被害者との示談が成立し、常習性などがなれば不起訴となります。

(2) 逮捕・勾留されるケース

現行犯逮捕が行われても、盗撮事件では数時間以内に釈放というケースも少なくありません。
被疑者が犯行を素直に認め、初犯で反省している場合は、勾留請求まで行くケースは多くないといえます。

こうなると、在宅事件として扱われます。被疑者は普通に生活を送りながら、警察から呼び出された時に取り調べを受けます。
もっとも、在宅事件は解決まで時間がかかることが多く、被疑者は長期間「起訴されるか・不起訴になるか」が分からない不安定な状態に置かれることになるでしょう。

一方、残念ながら勾留請求が行われてしまうケースとしては、否認している場合、証拠隠滅の可能性がある場合、逃亡の可能性がある場合、犯行が悪質で常習性がある場合などが挙げられます。

もっとも、このようなケースでも勾留請求前にしっかりと弁護活動を行っていれば、早期に釈放してもらえる可能性も高いです。

2.逮捕後に釈放される方法

次に、会社や学校など日常生活への影響を最小限に抑えるため、早期釈放のためにできることをご説明します。

(1) 弁護士による勾留阻止、釈放のための働きかけ

検察による勾留請求が行われると、ほとんどのケースで勾留が決定してしまいます。
検察も勾留の必要性・相当性に関する証拠を揃えた上で、勾留請求を行っているためです。

勾留が行われると、逮捕から13日〜長ければ23日間釈放されることはなくなってしまうため、社会生活に大きな影響が出ます。
学校や会社を休まなければならず、事情を話す必要が出てくるでしょう。

そこで、勾留阻止のための弁護活動が必要です。

勾留請求前であれば、検察に勾留の必要性がないことを訴える弁護活動を行い、勾留請求後であれば、勾留請求を裁判官に却下してもらうため、検察官の主張に対する反論を行い、裁判官に意見書を提出する等を行います。

勾留請求が却下されれば、すぐに家に帰ることができるので、社会生活への影響は最小限にすることができるでしょう。

(2) 被害者との示談を成立させる

盗撮事件で逮捕されたら、最終的には不起訴に持ち込むことが大切です。
不起訴となれば、特に罰則をかけられることもなく、前科もつかないためです(なお、罰金でも前科がつきます)。

不起訴を勝ち取るために重要なことは、被害者との示談を成立させることです。

被害者との示談は、当事者間の和解としての性質を持ち、民事上の解決をしているということと、被害者が本人を許していることを警察・検察に示すことができます。

警察や検察としても、被害者との示談を重要視しており、示談があれば勾留請求をしない・起訴しないなどの判断となる可能性が高いです。

そのため、日常生活への支障を少なくするために、早期の示談成立を目指すことが大切です。
示談があれば、勾留なしの釈放、不起訴、前科の回避など事件解決までの道のりが近づきます。

もっとも、性被害者の場合、精神的被害から加害者と直接連絡をとることを控える方が多いため、弁護士を通じて示談交渉を進めることが通常です。

[参考記事]

盗撮で逮捕されたら弁護士に相談するべき?

もちろん、示談があるからとって必ず不起訴になるとは言い切れません。示談だけでなく、今後の再犯の可能性がないことを主張し、裁判にかけなくても更生と社会復帰が可能であることを示す必要があります。

【起訴をされてしまうケースとは?】
軽い犯罪では、初犯の場合は起訴されないことが多くあります。犯罪行為について自ら認め、十分な反省を見せている場合には、不起訴とする判断も少なくありません。
逆に初犯であったとしても、罪を認めず反省の色が見られない場合や、示談が成立しておらず、被害者の処罰感情も大きいといえる場合は起訴に踏み切られる可能性は十分にあります。
警察や検察に対しては、今回の事件に関し誠意を持って反省を示し、再度罪を犯さないという意思を見せる必要があります。

3.盗撮事件で逮捕されたら弁護士にご相談を

盗撮事件が周囲に知られると、社会生活への影響は計り知れません。できる限り早期の釈放を目指し、今まで通りの日常に戻るべきです。

逮捕されてしまった場合、釈放と不起訴のための弁護活動が必要となるでしょう。
そして、不起訴を確実にするためには、被害者との示談が必要不可欠です。

示談を成立させるためにも、どうぞお早めに弁護士にご相談ください。

泉総合法律事務所では、多くの刑事事件を取り扱っており、盗撮事件に関する実績も豊富な弁護士が事件を担当します。
事件解決まで全力でサポート致しますので、安心してお任せください。

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