八王子市の交通事故の動向|被害者になってしまったらどうするべきか
八王子市は、東京都の都心から約40キロメートルの場所にある市で、東京のベッドタウンとして人気があります。東京の市でもっとも人口が多く、もっとも広い市です。
この記事では、八王子市の交通事故事情と、八王子市で交通事故に遭ったときにどうすればよいのかについて解説します。
このコラムの目次
1.交通事故発生件数の推移
平成29年に八王子市では1729件の交通事故が発生しました。死者数は3人、重傷者数は27人、軽症者数は2006人でした。交通事故の発生件数は前年比で93件増えました。
死者数は5名減少しましたが、重症者数は16名、軽症者数は71名増加しました。
八王子市における交通事故の発生件数の推移は以下のようになります。
- 2017年 1729件
- 2016年 1636件
- 2015年 1660件
- 2014年 1719件
- 2013年 1890件
- 2012年 2132件
- 2011年 2338件
- 2010年 2500件
このように、八王子市における交通事故の発生件数は2016年まで年々減少を続けていました。
交通事故の発生件数の減少は全国的な傾向で、背景には警察による取り締まりの強化や、飲酒運転など重大な交通違反に対する社会の目が厳しくなったことがあると考えられます。
八王子市内における死者数の推移は以下のとおりです。
- 2017年 3名
- 2016年 8名
- 2015年 3名
- 2014年 8名
- 2013年 6名
- 2012年 5名
- 2011年 10名
- 2010年 10名
このように、2012年以降八王子市における交通事故による死者数は一桁台が続いています。2017年の3名は、2015年と並び、近年でもっとも少ない死者数でした。
2018年には5月末の時点で833件の交通事故が発生しており、死者数は1名、重症者数は12名、軽症者数は935名で、発生件数、重症者数、軽症者数のいずれも去年を上回っています。
八王子市は、八王子警察署、南大沢警察署、高尾警察署の3つの警察署がそれぞれ管轄しています。
警察署ごとの交通事故の発生件数は八王子市警察署が944件でもっとも多く、高尾警察署が327件、南大沢警察署が580件でした。
3.八王子市で交通事故に遭ったら
では、もし八王子市で交通事故にあったら、どのように対応すればよいのでしょうか。
事故時に適切な対応をとらなければ、怪我を負ったときに必要な治療を受けられないおそれがあるばかりか、相手方に損害賠償請求をするときに不都合が生じる場合があります。
(1) 怪我人の救護を行う
運転中に交通事故にあったときは、ハザードランプをつけて車を路肩など安全な場所に停車させ、発煙筒や停止表示板などを使って後続車に危険を知らせ、二次被害を防ぎましょう。
交通事故による怪我人がいる場合には、すぐに救急車を呼び、必要な応急処置を行ってください。
交通事故が発生したときに怪我人を救護することは道路交通法上の運転者の義務とされており、これを怠って走り去ることは「ひき逃げ」に当たり処罰の対象となります。
119番にかけると、最初に「火事ですか、救急ですか」と尋ねられ、そして事故の場所を確認されます。冷静に交通事故で怪我人がいることを伝え、事故が起きた場所を伝えましょう。
場所を伝えるときには、「八王子市〇〇町〇丁目〇番です」といったように住所を伝えるか、「八王子市の〇〇交差点です」「八王子市の野球場前のバス停近くです」など、救急車が向かう場所が特定できるように工夫しましょう。
事故直後は怪我をしていてもすぐには症状が出ないことがありますので、「大した怪我ではない」「痛みがないから病院に行かなくても大丈夫」などと自分で判断することは危険です。
クリープ減少による追突やミラー同士の接触事故のように極めて軽微な事故の場合を除いて、事故で身体に衝撃を受けた場合には必ず病院に行くようにしましょう。
(2) 警察に連絡をする
どんなに軽微な事故であっても、事故を起こしたときは運転者は警察に連絡しなければいけません。
警察への連絡を怠ると道路交通法違反になるばかりか、事故証明書を発行してもらえず、後になって保険会社に保険金を請求できなくないなどの不利益を受けるおそれがあります。
事故の相手方によっては、「修理代や治療費は支払うので、警察には連絡しないでほしい」と言われるようなこともありますが、そのような場合でも必ず警察に連絡するようにしましょう。
八王子市の管轄となるのは八王子警察署、南大沢警察署、高尾警察署の3つですが、「110番」にかけると自動で通報地点を管轄する警察本部の通信指令室に繋がりますので、わざわざ管轄の警察署の連絡先を調べる必要はありません。
(3) 現場検証を行う
警察に連絡すると、通常は10分程度で警察官が到着し、現場検証が行われます。
現場検証は、通常、警察官がそれぞれの当事者から氏名、住所、勤務先などの個人情報と事故状況を聴取する形で行われます。
現場検証時に警察官に伝えた事故状況は、後になって過失割合を判断するときに重大な証拠となることがあります。慌てずに自分が認識している事故状況を伝えるようにしましょう。
(4) 事故の状況を記録しておく
事故の客観的な状況がわかる証拠は、写真に撮っておくなど記録しておくようにしましゅう。
たとえば、相手方の車両と自分の車両の損傷個所、路面状況などです。
(5) 相手方と連絡先を交換する
事故の相手方と氏名、住所、加入している任意保険の保険会社、連絡先の電話番号などを交換しましょう。
相手方の連絡先がわからないと、のちに保険会社の担当者が相手方に連絡を取るときに不都合が生じることがあります。最低限、名前と電話番号は聞いておくようにしましょう。
(6) 保険会社に連絡する
事故後、落ち着いてからで結構ですので、自分が加入している保険会社に連絡しましょう。
保険会社には、怪我人の有無、事故状況、相手方の名前や連絡先などを尋ねられます。保険会社に連絡をすると、保険会社の担当者が相手方に連絡をして挨拶を行い、相手方との示談交渉が始まります。
(7) 弁護士に相談する
交通事故の被害にあって怪我を負ったときには、弁護士に依頼することで、高い確率で相手方から受け取ることができる示談金が増額することができます。
4.弁護士に依頼するべき理由
続いて、交通事故の被害者が弁護士に依頼するべき理由について説明します。
(1) 裁判基準を前提に交渉できる
交通事故の被害にあって怪我を負い、治療を続けていると、ある段階で相手方の保険会社から治療の打ち切りを通告されて示談金に合意をするように求められます。
このときに相手方の保険会社が提示してくる示談金は、保険会社独自の基準に基づいて計算されています。
しかし、相手方の保険会社が提示してくる示談金の金額は必ずしも正当な金額ではありません。というのは、交通事故の示談金には保険会社の基準よりも高額な「裁判基準」があるからです。
裁判基準は過去に蓄積された裁判例に基づく基準で、事故により入通院を強いられたことによる入通院慰謝料や後遺障害が残ってしまったときの後遺障害慰謝料などが保険会社の基準よりも高額になります。
弁護士に示談交渉を依頼することにより、裁判基準を前提として相手方との交渉をすることが可能になります。
これが弁護士に依頼するだけで相手方から受け取ることができる示談金が増額する理由です。
(2) 弁護士費用
弁護士に依頼するというと、弁護士費用が心配になる方もいらっしゃるでしょう。
交通事故の被害者が弁護士に依頼する場合、通常は、相手方から受け取る示談金の増額分で弁護士費用を賄うことができます。すなわち、弁護士に依頼することによるデメリットはないことになります。
また、任意保険に「弁護士費用特約」が付帯している場合には、実質負担ゼロで弁護士に依頼することができます。
弁護士費用特約は、自分が入っている自動車保険だけでなく、家族が加入している場合に付帯している場合にも使用することができることがあります。
5.八王子市の警察署の連絡先
交通事故にあって保険金を請求するときには、警察に交通事故証明書を発行してもらわなければいけないときがあります。
八王子市を管轄する警察署の連絡先は以下のとおりです。
八王子警察署
〒192-0051
東京都八王子市元本郷町3丁目19番1号
042-621-0110高尾警察署
〒93-0834
東京都八王子市東浅川町23番地34
042-665-0110南大沢警察署
〒192-0364
東京都八王子市南大沢1丁目8番地3
042-653-0110
6.八王子市での交通事故のお悩みは泉総合法律事務所八王子支店へ
八王子市における交通事故の発生件数は減少しているものの、年間1729件の交通事故が発生しています。他人事とは思わず、十分注意して生活する必要があるでしょう。
もし、八王子市やその周辺で交通事故に巻き込まれてしまった場合には、保健会社とのわずらわしいやりとりは弁護士に一任することができます。また、想定外に低い示談金額を提示されてしまった場合も、弁護士に交渉を依頼することで、正当な金額の慰謝料まで増額ができる可能性があります。
八王子市、日野市、相模原市、京王線・中央線・横浜線・八高線沿線にお住まい、お勤めの方で、交通事故の被害者になってしまったという方は、泉総合法律事務所八王子支店の交通事故解決に詳しい弁護士に是非ご相談ください。
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