交通事故に強い弁護士の選び方・探し方
2000年の時点では2万人に満たなかった国内の弁護士の数は、2019年の時点で4万人を超え、近年急激な増加傾向にあるとは言えます。
また、昔は禁止されていた弁護士の広告が2000年に解禁されたことにより、インターネット上では、簡単に万人単位の弁護士情報にアクセスができるようになりました。
この結果、かえって情報の海に溺れ、どの弁護士を選べばよいのか迷ってしまうといったような事態に陥りがちです。
そのため、弁護士の選び方や探し方に関してお困りの方は、数多くいらっしゃるものと思われます。
ここでは、交通事故を得意とする弁護士の選び方や、その具体的な探し方をご紹介したいと思います。
皆さまが、交通事故に強い、そして相性が合って信頼のできる弁護士を選ぶための一助となれば幸いです。
このコラムの目次
1.弁護士選びの注意点
弁護士を選ぶにあたってまず認識しておかなければいけないのは、弁護士資格を有している=弁護士業務のすべての分野に精通していることを保証しているのではないということです。
例えば、医師の仕事が、内科、外科、脳外科といった専門の科に分かれているのと同様に、弁護士の仕事にも、民事事件、税務事件、労働事件、医療過誤事件と、様々な類型が存在します。
つまり、交通事故の被害者としては、交通事故事件に精通している弁護士を探さなければならないと言うことです。
分野に精通している弁護士とそうでない弁護士とでは、訴状の段階で、損害項目の拾い方や損害額の算出の点で大きな差が出てしまうでしょう。
民事裁判は、訴訟の当事者が主張し、立証したことだけを、裁判官が判断して判決に反映する制度です。このため、被害者は、各損害額や過失割合の点などについてしっかり立証し、主張していかなければなりません。
ここで、弁護士の主張の組み立てや立証が不十分ですと、同じ事故でも裁判官が認める損害賠償金に大きな違いが生じます。
このように、弁護士選びというものは、一歩間違えると、被害者とその家族の運命を左右するほど重大な問題なのです。
2.弁護士の選び方
では、一般的に弁護士を選ぶにあたっての観点を説明します。
(1) 弁護士事務所の立地の便利さ
仮に、その他の点において好条件な弁護士が見つかった場合でも、メールのやりとりや電話での連絡だけでは、示談交渉を進めることは困難です。
弁護士が出張してくれる場合もありますが、例えば、過失割合に争いがあるような場合に、交通事故現場を視察しに来てくれる余裕があるのか、など、実際の機動性の点などについても尋ねた上で判断すべきでしょう。
(2) 対応の速さ
多くの案件を抱える弁護士の場合、想定以上に連絡等が遅いことも考えられます。
実際にメールや電話をした際に、自身が満足できるレベルの対応をしてくれるのかどうか判断しましょう。
(3) 費用体系の明瞭さ
弁護士費用は2004年から自由化されており、各事務所で違いが生じます。
弁護士報酬は、着手金、報酬金、法律相談料、日当……といった名目で、依頼者から弁護士に支払われる、労働の対価にあたる部分です。
昨今、初回の法律相談料や着手金を無料とする事務所が増えてきていますが、たとえば、示談交渉で終わらなかった場合には、調停や訴訟の着手金に関してはこれが必要となることもあるでしょう。
どのような名目でいかなる報酬の発生があり得るのかについて、当初からわかりやすい費用の説明があり、追加費用の発生の有無やその額につき明らかな事務所を選ぶのが望ましいでしょう。
(4) 弁護士の人柄
依頼者あるいは依頼者の身内の立場に立って事件の処理にあたってくれる弁護士であってこそ「頼りになる弁護士」と言えるでしょう。
信頼できる弁護士かどうかの判断材料としては、具体的には、依頼者の質問等に専門用語で煙をまいたりせず丁寧に回答してくれるか、まめに報告や連絡をしてくれるか、生活面に至るまでの助言や手助けをしてくれるか、妥協せずに保険会社と交渉をしてくれるか、などが挙げられるでしょう。
また、(3)の弁護士費用についての説明も、それぞれの費目に対してはっきりと理由を述べてくれるような弁護士も、信頼がおける弁護士と言えるでしょう。
逆に、証拠集めをすることを怠ったり、挙げ句には、被害者に示談金額について妥協させ、拙速に解決したりしてしまおうとするような弁護士には要注意です。
また、弁護士事務所の空気というものは、知らず知らずのうちに醸し出されるものです。事務員や弁護士に接して、感じが良くないと思えば、その直感に従うべきでしょう。
電話の応対、伝言の不首尾などに関して、相談者がマイナスの印象を覚えるようでしたら、相性が良くない可能性が高いです。
アンケートを実施しウェブサイトにアンケート結果を掲載している弁護士事務所もあります。アンケート結果を参考にするのもお勧めです。
(5) 弁護士の交通事故に対する能力
弁護士の能力の判断のためには、アクセス可能な当該弁護士の解決事例を見るほかないでしょう。
弁護士事務所のウェブサイトに、交通事故関連の記事(コラム等)や解決事例が多いか、そしてこれらが頻繁に更新されているか、交通事故に関する最新情報が載っているか、などを確認して判断の材料としましょう。
その他、交通事故紛争処理センターの相談担当の弁護士や、弁護士会の交通事故委員会に長年所属しているような弁護士、交通事故事件に関する専門的な書籍の執筆歴がある弁護士であれば、交通事故事件に詳しいことが予想できます。
なお、弁護士の解決実績を調べるためには、国会図書館などで判例データベースを使用して、判決をリサーチする方法もあります。
また、後遺障害等級申請は、交通事故事件の大きな鍵となる場面です。
この点、整形外科などの医師との連携により、豊富な医学的知識を備えている事務所や、特に重症の場合に、医療コーディネーターが治療中から等級取得に向けた医証獲得を意識してサポートをしてくれるような事務所であれば安心です。
[参考記事]
適正な慰謝料のための後遺障害認定を弁護士に相談するメリット
3.弁護士の探し方
最後に、交通事故に強い弁護士の探し方について説明をします。
(1) 知り合いの紹介
交通事故に遭って実際に弁護士のお世話になった友人が太鼓判を押してお勧めしてくれるような場合や、知り合いからの評判が良い弁護士である場合ならば、それは信頼できる貴重な情報といえるでしょう。
ただし、そうではなく単にその知り合いの弁護士を紹介されたような場合、実際に面会してみて交通事故に精通しているわけではないと分かったとしても、断りづらくなるということもあり、この点がデメリットとなります。
(2) 弁護士会主催の無料法律相談会に参加する
いきなり法律事務所に直接行くことが躊躇われる方には、これはお勧めの手段といえるでしょう。
ただし、開催が不定期のため、迅速に交通事故相談を行えない可能性があります。
(3) インターネット
インターネットを用いて弁護士を探すにあたっては、以下の方法が考えられます。
1つめとしては、弁護士事務所のウェブサイトを直接検索する方法です。
2つめとして、法律ポータルサイトを利用する方法です。
法律ポータルサイトとは、全国から弁護士事務所が登録している弁護士紹介のためのサイトのことです。
このようなサイトは、特定の案件に強い弁護士を容易に探し出せるように工夫がなされており、それらの弁護士の比較が容易にできるというメリットもあります。
ただし、ネット経由の情報だけでは、弁護士の人柄や事務所全体の雰囲気などがわからない、といった点がデメリットとしてあげられるでしょう。
弁護士業界には、いまだ飲食店や病院におけるような網羅的な口コミ・評判サイトは存在しないため、いわゆる口コミ情報をネット上で取得するのは困難です。
Googleマップ上には、多少の口コミが存在することもありますが、絶対数が少ない上に、悪意による書き込みや関係者によるサクラ的な書き込みの可能性も否めません。
4.弁護士事務所の無料相談の活用がおすすめ
候補先の弁護士事務所をいくつか選択した上で、実際に顔を合わせて相談し、最後は自分の感覚で弁護士を判断することが重要です。
昨今は、初回の法律相談を無料とする事務所も多く、これを利用してじっくり比較して決めることが望ましいといえるでしょう。
相談者ご自身で複数の弁護士に直接会っていくうちに、弁護士の対応の適切さなど、何となく肌で感じるものは大きいはずです。
当泉総合法律事務所も、初回のご相談は1時間まで無料となっておりますので、どうぞご活用いただければと思います。
5.交通事故を取り扱う泉総合法律事務所の弁護士へぜひご相談を
このように、弁護士選びにおいては、最後はご自身の人を見る目を信じるしかありません。そして、判断をより正確なものとするためには、やはり、複数の法律事務所に直接足を運ばれることをお勧めします。
法律相談を何度もじっくりと行い、最後に本当に信頼できると確信した弁護士に依頼をするようにしましょう。
交通事故に精通した弁護士が多数在籍している泉総合法律事務所も、初回のご相談は1時間まで無料となっております。サイト上には多くの解決実績やご依頼者様の声を公開しておりますので、是非一度ご覧頂ければと思います。
八王子市、日野市、相模原市、京王線・中央線・横浜線・八高線沿線にお住まい、お勤めの方で、交通事故でお悩みの方は、泉総合法律事務所八王子支店が便利です。専門家である弁護士にどうぞご相談ください。
-
2020年6月5日交通事故 高次脳機能障害で職場に日常生活状況報告書を依頼するポイント
-
2020年10月23日交通事故 交通事故で腕を切断したときの逸失利益
-
2020年6月5日交通事故 高次脳機能障害の画像検査|後遺障害等級認定されるために